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気になる、もち麦や押麦の「糖質」。ほかの穀類と比べてみました!


食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの栄養価も高い「大麦」。最近ではダイエットやアンチエイジング、美容にもいいと注目を浴びています。押麦、もち麦、丸麦、米粒麦、白麦などと、その種類も豊富で、それぞれ異なる見た目や食感から楽しみ方もさまざま。スーパーやネット販売などでも手軽に買えるようになりました。
ヘルシーなイメージのある大麦ですが、ほかの穀類と比べるとどうなのでしょうか?「糖質」に加え、「エネルギー」「たんぱく質」「食物繊維」を比較して、その特徴をご紹介します。

「糖質」≠「炭水化物」。炭水化物には食物繊維も含まれている

糖質〇%カット、低糖質スイーツなど……。従来の食事制限などの「カロリーオフ」に加え、「糖質オフ」にも目を向けたダイエットが叫ばれるようになったのは、10年ほど前のこと。以来、そのブームが続き、今でも定着しているのが「糖質制限」です。

糖質制限を実践するうえで、甘い物以外に、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を抜くという人も多いかもしれません。しかし、実は「糖質」=「炭水化物」ではありません。「糖質」とは「炭水化物」から「食物繊維」を差し引いたもの。つまり、炭水化物には、糖質以外にも、体内では消化できないセルロースなどの食物繊維が含まれています。同じ炭水化物量でも食物繊維が多ければ、糖質量は少ないということになります。

今回は、押麦・もち麦の2種類の大麦と、オートミール、精白米(うるち米)、玄米の計5種類の穀類について、糖質、エネルギー、たんぱく質、食物繊維をそれぞれ比べます。

糖質はエネルギー源。摂りすぎ注意だが、完全オフも禁物

まずは糖質ですが、100gあたりの含有量を比べると、1番少ないオートミールが59.7g、続いてもち麦が65.2g。精白米と比較すると、もち麦は15%、押麦は10%ほど糖質量が少なくなっています。
そもそも、糖質は、摂りすぎると血液中のブドウ糖の濃度が高くなり、血糖値が上がりやすくなります。この状態が続くと、生活習慣病や肥満の原因にもなるため、注意しなくてはなりません。
ただし、糖質そのものは、身体や脳のエネルギー源であり、健康的な生活に不可欠。そのため、糖質が不足すると、ブドウ糖の欠乏によって頭痛やめまい、疲労などにつながってしまいます。極端なダイエットなどで「糖質」を完全にオフにするのは禁物です。

次にエネルギーですが、100gあたりで比べた場合、さほど大きな差は見られません。ただ、「大麦」や「オートミール」は、白米などに比べて吸水性も高いため腹持ちがよく、さらに満腹中枢を刺激して空腹感を減らすことも分かっており、結果的にカロリーオーバーを防げます。逆に、エネルギーが不足すると筋肉量が減り、その分体内に脂肪を蓄えやすくなってしまうので、注意が必要です。

もち麦のたんぱく質量は白米の約1.5倍

たんぱく質は炭水化物や脂質と同時に、三大栄養素として大事なエネルギー源の1つです。主に、筋肉や血液、臓器など、体をつくる要素として欠かせません。

100gあたりの含有量を比べると、1番多いオートミールが13.7g、続いてもち麦が9.5gです。大麦の中でも、押麦よりもち麦の方がたんぱく質量は多く、白米の約1.5倍、玄米の約1.4倍に。また、オートミールのたんぱく質量は白米の約2.2倍、玄米の約2倍の量になります。

水溶性食物繊維の「β–グルカン」がダイエット効果を生む

大麦には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。その量は100g中で押麦が4.3g、もち麦が9.0gと群を抜いています。

特に注目されているのが「大麦」に含まれる水溶性食物繊維の70%以上を占める「β-グルカン」。この「β-グルカン」が血中の悪玉コレステロールを低下させたり、糖質の消化・吸収をゆるやかにして血糖値の上昇を抑えたり、内臓脂肪を減らしたりするなどの効果に一役買っています。

糖質、エネルギー、たんぱく質どれもバランスよく備えている「大麦」。さらに、食物繊維の多さによって腸内環境が整うため、ダイエットの落とし穴である便秘改善にもつながります。今では、主食のみならず、サラダやスープ、ドリンクなど、さまざまなレシピが紹介されています。皆さんも無理なく大麦を取り入れて、健康的な食生活を楽しんでみませんか。

みんなでつくるおいしい大麦レシピ