研究員が集めた大麦の論文
大麦研究ライブラリー
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刑務所で麦ごはんを食べていたら、糖代謝が改善されて健康になった!?
#インスリン #糖代謝 | 2007年1月9日
2型糖尿病を患っていた受刑者の空腹時血糖値とHbA1cが、刑期中に大きく低下し、一部の受刑者は薬がいらなくなるまでに回復。これは刑期中の労働と、麦ごはんを含む高食物繊維食が寄与しているのではないか、という面白い報告です。受刑者の健康を保つために欠かせない麦ごはん。私たちの日常生活でもぜひ取り入れたいですね。
【論文・レポート】
日本の福島刑務所の2型糖尿病の男性の囚人の代謝改善
Metabolic improvement of male prisoners with type 2 diabetes in Fukushima Prison, Japan
- ■概要
- 本試験では、日本における2型糖尿病の男性受刑者の代謝制御を調べた。1998年から2004年までの福島刑務所の男性囚人のカルテの後ろ向き分析で、2型糖尿病の109人を調査。彼らは刑期中、空腹時血漿グルコースおよびHbA1cレベルが大幅に低下した。さらに、インスリン治療を受けていた18人中5人(28%)と、経口血糖降下薬治療を受けていた34人中17人(50%)が治療を中止し、良好な代謝制御を維持することができた。日本の受刑者たちは、麦ごはんを含む高食物繊維食を日々摂取し、週に5日働いている。これらの知見は、良好に制御された生活習慣および大麦などの高食物繊維の長期摂取が、2型糖尿病の患者の代謝管理に有益な効果をもたらす可能性があることを示唆している。
- ■研究者
- Masamitsu Hinata (1. Medical Affairs Section, Fukushima Prison)
Masami Ono (1)
Sanae Midorikawa (2. Department of Internal Medicine Ⅲ, Fukushima Medical University, School of Medicine)
Koji Nakanishi (3. Department of Endocrinology and Metabolism, Toranomon Hospital)
- ■出典
- Diabetes Research and Clinical Practice 2007年 77巻 2号 P.327-332