研究員が集めた大麦の論文
大麦研究ライブラリー
【テーマから探す】
大麦β-グルカンの摂取が免疫機能を高める可能性があることがわかりました!
#免疫 #腸内環境 | 2021-03-11
高脂肪食によって免疫系が悪化した場合でも、高β-グルカン大麦粉を摂取すると、腸内細菌叢の組成が変わり短鎖脂肪酸の産生が促され、免疫機能を強化する可能性が示されました!
![$infoResearcher['name']](https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/cms/wp-content/uploads/2018/02/illust_male_l-200x300.png)
【論文・レポート】
高β-グルカン大麦粉の摂取は、プレバイオティクス効果により、食事誘発性肥満マウスの腸管免疫系を強化する
Ingestion of High β-Glucan Barley Flour Enhances the Intestinal Immune System of Diet-Induced Obese Mice by Prebiotic Effects
- ■概要
- 【目的】
高脂肪モデルマウスの自然免疫系に対する高β-グルカン大麦(HGB)粉のプレバイオティクス効果を調べることを目的とした。
【方法】
雄のC57BL/6J マウスにHGB粉を添加した高脂肪食を90日間与えた。
盲腸および血清中の分泌型免疫グロブリンA(sIgA)をELISAで分析した。RT-PCR法を用いて、回腸におけるインターロイキン(IL)-10やIL-6などの炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインのmRNA発現レベルと、盲腸の腸内細菌叢の組成を調べた。短鎖脂肪酸(SCFA)と有機酸の濃度をGC/MSで分析した。
【結果】
盲腸および血清中のsIgA濃度は、対照群と比較してHGB群で上昇した。IL-10および高分子免疫グロブリン受容体(pIgR)の遺伝子発現レベルは、HGB群で有意に増加した。また、HGB摂取により、BifidobacteriumやLactobacillusなどの微生物群の細菌数が増加した。HGB群では盲腸内のプロピオン酸と乳酸の濃度が上昇し、これらの有機酸とIL-10の発現量との間に正の相関が認められた。
【結論】
HGB粉は、高脂肪食によって免疫機能が低下していても、IgA分泌量やIL-10発現量などの免疫機能を高めることがわかった。また、HGB粉が腸内細菌叢を変化させ、SCFAの濃度を上昇させることで、免疫系を刺激することがわかった。 - ■研究者
- Kento Mio 1,2
Nami Otake 1
Satoko Nakashima 2
Tsubasa Matsuoka 2
Seiichiro Aoe 1
1.Studies in Human Life Sciences, Graduate School of Studies in Human Culture, Otsuma Women’s University, Chiyoda-ku, Tokyo 102-8357, Japan
2.Research and Development Department, Hakubaku Co. Ltd., Chuo-City, Yamanashi 409-3843, Japan
- ■出典
- Nutrients. 2021 Mar 11;13(3):907.