研究員が集めた大麦の論文
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大麦のセカンドミール効果を証明する結果が出ました!
#インスリン #セカンドミール #糖代謝 #腸内環境 | 2015年8月11日
大麦の食物繊維は、腸内細菌によって発酵され、糖代謝や満腹感に関連する消化管ホルモンの分泌量を増加させることがわかりました。また、大麦を摂取した次の食事で血糖値とインスリン感受性の改善が見られ、セカンドミール効果が期待できることも確かめられました。
【論文・レポート】
3日間の大麦食介入後の消化管ホルモンの増加とインスリン感受性指数:健康的な中年の被験者におけるランダム化クロスオーバー試験
Increased gut hormones and insulin sensitivity index following a 3-d intervention with a barley kernel-based product: a randomised cross-over study in healthy middle-aged subjects
- ■概要
- 本試験の目的は、非デンプン性多糖類(NSP)および難消化性デンプンが、豊富な全粒穀物食品の摂取により健康なヒトの内因性消化管ホルモンの放出に影響し、食欲調節・血糖コントロールを改善する可能性を調べることである。中年の被験者20名でランダム化クロスオーバーデザイン試験を実施した。3日間の連続した大麦パンの摂取で、白小麦パンと比較して次の日の朝食(4日目)のタイミングでの絶食時・食後の血漿中消化管ホルモン(絶食時GLP-1、食後GLP-2とPYY)が増加した。呼気水素排出量と絶食時の血漿短鎖脂肪酸濃度も増加しており、血糖値と血漿中のインスリン応答は低下していた。インスリン感受性指数(ISI)も改善されていた。これらの結果より、3日間の大麦パンの摂取は、食欲調節・代謝制御・腸管保護機能に関係する消化管ホルモンを全身レベルで増加させるとともに、中年の被験者において血糖恒常性マーカーを改善させ、肥満とメタボリックシンドロームにも関与することがわかった。
- ■研究者
- Anne C.Nilsson
Elin V.Johansson-Boll
Inger M.E. Björck
(上記全て
Food for Health Science Centre, Lund University Specialized Centres, Lund University)
- ■出典
- British Journal of Nutrition 2015年 114巻 6号 P.899-907