研究員が集めた大麦の論文
大麦研究ライブラリー
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大麦の糠(ぬか)も血糖値上昇抑制効果があるんです!
#インスリン #糖代謝 | 2018年6月
普段捨てられてしまっている大麦糠の機能性と嗜好性を評価した研究です!皆さんがいつも食べているのは大麦の「胚乳部」ですが、削って捨てられている「外皮」の部分も同様に機能性を持つことがわかりました。小麦の外皮である「小麦ふすま」はすでに健康にいいことが知られていますが、大麦の外皮も実は健康にいいのです!
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【論文・レポート】
高β-グルカン大麦糠を配合したクッキーの摂取がヒトの血糖上昇ならびにインスリン分泌に及ぼす影響
Effects of Ingestion of High-β-glucan Barley Bran Cookies on Postprandial Glucose Elevation and Insulin Secretion in Healthy Subject
- ■概要
- 大麦は大まかに胚乳と外皮に分けられるが、食用とされているのは胚乳の部分である。外皮を含む大麦糠も、胚乳と同様に機能性を有する成分が多く含まれているが、食味の悪さから家畜の飼料とされてきた。本研究では、β-グルカンを多く含み、灰分量が少なく、苦みならびに渋みの少ない高β-グルカン大麦糠を配合したクッキーが食後の血糖値とインスリン分泌を抑制するかどうかを健康な女性で調べるとともに、この大麦糠配合クッキーの嗜好性を評価した。その結果、高β-グルカン大麦糠配合クッキーは、健康な女性で血糖値上昇抑制およびインスリン分泌抑制効果を持つことが明らかとなった。また、嗜好性評価でも小麦粉クッキーと比べて高β-グルカン大麦糠配合クッキーは、味、香り、見た目、食感ならびに歯もろさで差がなく、小麦粉クッキーに劣らないことから、高β-グルカン大麦糠配合クッキーの機能性スウィーツとしての有用性が確認できた。これらの結果は、高β-グルカン大麦糠が機能性素材として提供されうる可能性を秘め、メタボリックシンドロームの予防に貢献するであろうことを証明した。
- ■研究者
- 田辺賢一(1. 名古屋女子大学家政学部食物栄養学科)
小川眞季(1)
中村禎子(2. 十文字学園女子大学食・栄養・健康研究所)
奥恒行(2)
- ■出典
- ルミナコイド研究 2018年 22巻 1号 P.21-28