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研究員が集めた大麦の論文

大麦研究ライブラリー


もち麦の摂取で便秘が改善するという報告がされました!

#便通 | 2017年

ある老人ホームで便秘気味の高齢者が5か月間もち麦を摂取すると排便回数が増加し、下剤を使用する頻度が減ったという報告です。もち麦には不溶性・水溶性、2種類の食物繊維が豊富に含まれています。Wの食物繊維の力による便秘の改善に期待しながら、もち麦を食べ続けたいですね。

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【論文・レポート】

もち麦「キラリモチ」が及ぼす介護老人保健施設入所中後期高齢者の便通への影響

Effect of waxy barley, Kirarimochi, consumption on bowel movements of late-stage elderly residents at Roken nursing home

■概要
後期高齢者にとって、良質な生活を維持するためには、最もストレスの少ない便通があることが非常に重要である。適切な食物繊維の摂取は、便秘のようなストレスの高い便通の予防および管理に有望な方法であることが一般的に認められている。そこで食物繊維が多いもち麦の長期摂取が、日本の老人保健施設に住む後期高齢者の排便に及ぼす影響について検討した。
10月より施設のすべての住人28人に、主食として炊飯した白米を提供した。その後11月から3月まで5か月間主食としてもち麦(品種:キラリモチ)を白米に混ぜたものを食べてもらい、摂取前後の被験者の排便と下剤投与の頻度を比較した。
10月の毎週の排便頻度に応じて被験者を「便秘群」および「非便秘群」に分類した。便秘群に分類された14人の間で、11月、1月、3月のひと月あたりの排便日数は10月と比べて有意に増加した。さらに、ひと月あたりの下剤投与日数は10月と比べて12月と2月で有意に減少した。一方、非便秘群に分類された残りの14人はもち麦ごはん摂取後も排便と下剤投与頻度に有意な差は見られなかった。
本試験により、もち麦「キラリモチ」の5か月間の摂取は便秘の被験者の排便を改善することがわかった。しかしながら、老人保健施設の非便秘の被験者の排便には影響がなかった。以上の結果は、もち麦「キラリモチ」の摂取は、老人保健施設の後期高齢者の便秘の管理に有効であることを示している。
■研究者
Keiko Taniguchi (1. Mimasaka Sakutou Nursing Home, 2. Present Address: Health promotion section)
Kozo Komae (3. Konan Women's University)
Asuka Takahashi (4. NARO Western Region Agricultural Research Center, Crop Breeding and Food Functional Components Research Division)
Toji Yoshioka (4)
Yoshiaki Sone (5. Graduate School of Human Life Science, Mimasaka University)
■出典
Journal of Physiological Anthropology 2017年 36巻 17号

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