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研究員が集めた大麦の論文

大麦研究ライブラリー


大麦はコレステロールを低下させることで、心疾患のリスクを低減してくれます!

#血清脂質 | 2016年

大麦はLDL-コレステロールやnon-HDL-コレステロールなどのコレステロール低下作用を持ちます。コレステロール値を下げることで心血管疾患などのリスク低減につながるため、アメリカ・カナダ・ヨーロッパなど世界各国で「大麦β-グルカンの摂取が冠状動脈心疾患のリスクを低減させる」という健康強調表示(ヘルスクレーム)が認められています。日々の食事に大麦を取り入れ、心疾患などの生活習慣病の予防に役立てたいですね。

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【論文・レポート】

心血管疾患のリスク低減のためのLDL-C, non-HDL-C, apoBに与える大麦β-グルカンの影響を評価したRCTのシステマティックレビューとメタアナリシス

A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials of the effect of barley β-glucan on LDL-C, non-HDL-C and apoB for cardiovascular disease risk reduction

■概要
大麦は、コレステロール低下作用を持つ粘性の水溶性食物繊維β-グルカンの含有量が高く、治療用食品として近年注目されてきている。本研究は、心血管疾患(CVD)のリスク低減のためのLDL-コレステロール、non-HDL-コレステロール、アポリポタンパクB(apoB)における大麦β-グルカンのコレステロール低下能を調べたランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューとメタアナリシスを行うことを目的とした。コントロールと比較した大麦β-グルカンが豊富な食事のLDL-コレステロール、non-HDL-コレステロール、apoBへの影響を3週間以上評価した文献を『MEDLINE』、『Embase』、『CINAHL』、『Cochrane CENTRAL』より検索し、評価に入れた。独立した2名のレビュアーが適切なデータを抽出し、各試験の研究の質とバイアスリスクを評価した。その結果、最終的な分析には14試験(N=615人)が含まれていた。
大麦β-グルカン6.5gまたは6.9g/日の4週間の投与は、有意にLDL-コレステロール
(Mean Difference (MD)= -0.25mmol / l(95%CI:-0.30、-0.20))と
non-HDL-コレステロール(MD = -0.31mmol / l (95%CI:-0.39、-0.23))を低下させた。一方でapoBはコントロールと比較して有意差は見られなかった。non-HDL-コレステロールの分析では、説明のできない著しい異質性があった(I²=98%)。本研究の分析によって、大麦β-グルカンがLDL-コレステロールとnon-HDL-コレステロールを低下させる効果を持つことが示された。大麦を含む食品を取り入れることはCVDリスクを低減させるための戦略となり得る。
■研究者
HVT Ho (1. Clinical Nutrition and Risk Factor Modification Centre, St. Michael's Hospital 2. Department of Nutritional Sciences, Faculty of Medicine, University of Toronto)
JL Sievenpiper (1, 2, 3. Li Ka Shing Knowledge Institute, St. Michael's Hospital, 4. Division of Endocrinology & Medicine, St. Michael's Hospital, 5. Toronto 3D Knowledge Synthesis and Clinical Trials Unit, St. Michael's Hospital)
A Zurbau (1, 2)
SB Mejia (1, 2, 5)
E Jovanovski (1, 2)
F Au-Yeung (1, 2)
AL Jenkins (1)
V Vuksan (1, 2, 3, 4)
■出典
European Journal of Clinical Nutrition 2016年 70巻 11号 P.1239-1245

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