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研究員が集めた大麦の論文

大麦研究ライブラリー


大麦のβ-グルカンが内臓脂肪の低減に効果があることが証明されました!

#内臓脂肪 | 2017年10月

大麦が内臓脂肪を減らす効果を持つことは知られておりますが、その機能が大麦の水溶性食物繊維「β-グルカン」によるものであることが実証されました。内臓脂肪が気になる方には是非普段の食事に大麦を取り入れていただきβ-グルカンのパワーを実感してほしいです!!

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【論文・レポート】

日本人における高β-グルカン大麦の内臓脂肪肥満への効果:ランダム化二重盲検試験

Effects of high β-glucan barley on visceral fat obesity in Japanese individuals: A randomized, double-blind study

■概要
目的
本研究は、白米を高β-グルカン大麦に置き換えた食事が日本人の内臓脂肪肥満を軽減するかどうか検討することを目的とした。
方法
ランダム化二重盲検プラセボ対照介入試験を、男性で腹囲(WC)≧85cm、女性で≧90cm、BMI≧24kg/m²の日本人100人を対象に実施した。参加者はランダムに白米と高β-グルカン大麦(β-グルカン 4.4g/日)または白米とβ-グルカン非含有大麦を混合したご飯のどちらかを12週間摂取するように割り当てられた。試験の前後に血液の採取とコンピュータ断層撮影を行った。
結果
両群とも体重とBMIが減少し、特に高β-グルカン大麦群で大きく減った。腹囲と内臓脂肪面積は有意に両群で減少した(内臓脂肪面積 : 高β-グルカン大麦群で-10.7cm²、β-グルカン非含有大麦群で-6.8cm²)。これらの変化はそれぞれの群の間で有意な差はなかった。しかしながら、内臓脂肪面積が100cm²以上の参加者のみで分析すると、高β-グルカン大麦群で内臓脂肪面積が減少し、そしてこの減少はβ-グルカン非含有大麦群よりも有意に大きかった。
結論
高β-グルカン大麦を摂取すると、内臓脂肪面積≧100cm²の内臓脂肪肥満の人では、内臓脂肪面積、体重、BMI、および腹囲が有意かつ安全に減少した。β-グルカンを多く含む大麦は、内臓脂肪性肥満の予防に貢献する可能性がある。
■研究者
Seiichiro Aoe (1. Department of Food Science, Otsuma Women's University)
Yasunori Ichinose (2. Institute of Crop Science, National Agriculture and Food Research Organization)
Noriko Kohyama (2)
Kozo Komae (3. Western Region Agricultural Research Center, National Agriculture and Food Research Organization)
Asuka Takahashi (3)
Daigo Abe (3)
Toji Yoshioka (3)
Takashi Yanagisawa (2)
■出典
Nutrition 2017年 42巻 P.1-6

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