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研究員が集めた大麦の論文

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大麦の糖代謝改善に関わる可能性のある“プレボテラ属菌” に注目しています!

#セカンドミール #糖代謝 #腸内環境 | 2015年11月6日

大麦を食べて糖代謝が改善した人は腸内に プレボテラ属菌の存在量が多く、大麦の摂取でさらに増えることがわかりました。大麦の腸内細菌を介した糖代謝改善のメカニズムを探究していたところだったので、これは大麦研究において非常にインパクトの高い報告でした。腸内細菌叢は国によって異なるので、日本人の場合はどうなるのか、さらに研究を進めていきたいです。

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【論文・レポート】

食物繊維が引き起こす糖代謝の改善はプレボテラの存在量の増加と関係している

Dietary Fiber-Induced Improvement in Glucose Metabolism Is Associated with Increased Abundance of Prevotella

■概要
腸内微生物叢は、宿主の食生活と相互作用することによって、人の健康に重要な役割を果たす。しかし、この食事への応答については個人差がかなりある。そこで本試験では、大麦パンの3日間の摂取後に糖代謝が改善した被験者(レスポンダー)と大麦パン介入に最も反応しなかった被験者(ノンレスポンダー)の腸内細菌の組成を比較した。Prevotella/Bacteroides比は、ノンレスポンダーよりレスポンダ―で高かった。メタゲノム分析の結果、レスポンダーの腸内細菌叢にはPrevotella copriが多く、大麦摂取後に複合多糖類を発酵させる可能性が高いことが示唆された。また、レスポンダーの腸内細菌を移植した無菌マウスでは、糖代謝の改善とPrevotella・肝臓グリコーゲン量の増加が見られた。本試験において、Prevotellaはグリコーゲン貯蔵を促進することによって、ある特定の個人で見られた大麦による糖代謝の改善に寄与していることがわかった。
■研究者
Petia Kovatcheva-Datchary (1. Wallenberg Laboratory, Department of Molecular and Clinical Medicine, University of Gothenburg)
Anne Nilsson (2. Food for Health Science Centre, Lund University)
Rozita Akrami (1)
Ying Shiuan Lee (1)
Filipe De Vadder (1)
Tulika Arora (1)
Anna Hallen (1)
Eric Martens (3. Department of Microbiology and Immunology, University of Michigan)
Inger Björck (2)
Fredrik Bäckhed (1, 4. Novo Nordisk Foundation Center for Basic Metabolic Research, Section for Metabolic Receptology and Enteroendocrinology, Faculty of Health Sciences, University of Copenhagen)
■出典
Cell Metabolism 2015年 22巻 6号 P.1-12

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