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研究員が集めた大麦の論文

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大麦粉入りパンの摂取が、健康な日本人の食後血糖値とその次の食事の食後血糖値も改善する事が分かりました!

#セカンドミール #糖代謝 | 2020年4月

本研究では健康な日本人を対象に、大麦パンの摂取が食後血糖値を低下させるだけではなく、その次の食事の食後血糖値も低下させる効果(セカンドミール効果)があることが分かりました!大麦を食べ続けることで適正な血糖コントロールの調節が期待できそうですね!

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【論文・レポート】

健康な日本人における搗精した大麦粉パンを含む食事の摂取は小麦パンを含む食事の摂取と比較して2回目の食事の食後血糖値の低下に関連する:無作為化対照試験

Consumption of a meal containing refined barley flour bread is associated with a lower postprandial blood glucose concentration after a second meal compared with one containing refined wheat flour bread in healthy Japanese: A randomized control trial

■概要
目的
食後高血糖を軽減する食品は次の食事後の血糖応答を抑制することができる("セカンドミール"効果)。しかし、搗精した大麦粉パンのセカンドミール効果はこれまで評価されていない。本研究では搗精した大麦粉パンの摂取が食後とその次の食事の食後血糖値濃度を低下するかどうか評価することを目的とした。

方法
23人の健康な若い成人の日本人を対象とし、二重盲検プラセボ無作為化クロスオーバー試験を実施した。参加者は2.5gのβ-グルカンを含む搗精した大麦粉を含むパン、もしくは小麦パンを最初の食事として摂取し、次に2番目の食事として3種類のおにぎりを摂取した。食後血糖値濃度は各食事の0,15,30,45,60,90,120分後に測定した。空腹時血糖値が糖尿病の診断域値を超える参加者は除外した。

結果
最初の食事から30分後の血糖値は小麦パン(7.7 ±1.2 mmol/L)よりも搗精した大麦粉パン(7.1 ±1.0 mmol/L)を摂取した場合の方が有意に低かった(P<0.05)。2番目の食事から60分、90分後の血糖値は小麦パン(60分:9.3 ±1.7 mmol/L, 90分:8.8 ±2.1 mmol/L)よりも搗精した大麦粉パン(60分:8.7 ±1.8 mmol/L, 90分:7.8 ±1.4 mmol/L)を摂取した場合の方が有意に低かった (P<0.05)。

結論
健康な若い成人の日本人において、搗精した大麦粉で作ったパンの摂取は小麦パンと比較して食後とその次の食後血糖値を低下させる。
■研究者
Tsubasa Matsuoka (a)
Asuka Tsuchida (b)
Ayako Yamaji (b)
Chihiro Kurosawa (a)
Manabu Shinohara (c)
Ichiro Takayama (c)
Hiromi Nakagomi (c)
Keiko Izumi (c)
Yoko Ichikawa (d)
Natsuyo Hariya (e)
Sayaka Yamashita (b)
Kazuki Mochizuki (b)*

a : Research and Development Department, Hakubaku Co. Ltd., Yamanashi, Japan
b : Laboratory of Food and Nutritional Sciences, Department of Local Produce and Food Sciences, Faculty of Life and Environmental Sciences, University of Yamanashi, Yamanashi, Japan
c : Health Care Center, University of Yamanashi, Yamanashi, Japan
d : Laboratory of Food Management, Graduate School of Nutritional and Environmental Sciences, University of Shizuoka, Shizuoka, Japan
e : Department of Nutrition, Faculty of Health and Nutrition, Yamanashi Gakuin University, Yamanashi, Japan
*Corresponding author
■出典
Nutrition 2020年 72巻

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