研究員が集めた大麦の論文
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フィルム状に加工した大麦β-グルカンが、傷の治癒に役立つ可能性がある!?
#免疫 | 2023-05-01
フィルム状に加工した大麦β-グルカンを豚の皮膚の創傷に塗布したところ、通常よりも傷の治りが早いことがわかりました!
皮膚科学分野における大麦の機能性解明に期待が高まります!
【論文・レポート】
高出力超音波技術で抽出した大麦β-グルカンによる、創傷治療用の持続可能な生体接着性フィルムの配合と特性評価
Formulation and characterization of sustainable bioadhesive films for wound treatment based on barley β-glucan extract obtained using the high power ultrasonic technique
- ■概要
- 【目的】
皮膚用製剤の開発に向け、大麦β-グルカンの新規用途を評価すること。
【方法と結果】
高出力超音波技術により、大麦粉から膜形成力に優れ、粒度の安定したβ-グルカンを抽出した。この大麦β-グルカンに可塑剤ソルビトールとアカシアガムを添加することで生体フィルムを作成した。さらに、この生体フィルムを豚の皮膚創傷に塗布したところ、フィルム塗布24時間後には傷が完全に塞ががる様子が確認された(何も治療しなかった傷の閉鎖率は82.1±6.1%)。
【結論】
大麦から抽出したβ-グルカンで作成した生体接着性フィルムは、適切な機械的特性をもち、さらに皮膚科学分野でも応用できる可能性が示された。 - ■研究者
- Alessandro Di Michele (a. Department of Physics and Geology, University of Perugia, Perugia, Italy) ,
Carmen Laura Pérez Gutiérrez (b. Department of Pharmaceutical Sciences, University of Perugia, Perugia, Italy)
Cinzia Pagano (b), et al.
- ■出典1
- Int J Pharm. 2023;638:122925.
- ■出典2
- Int J Pharm. 2024;651:123799.