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大麦β-グルカンの摂取が総血漿コレステロールを減少させることが分かりました!

#腸内環境 #血清脂質 | 2019年2月

メタボリックシンドローム患者が大麦β-グルカンを4週間摂取したところ、総血漿コレステロールが減少したことが分かりました!
他にも腸内のプロピオン酸を増加させたり、腸内細菌叢に変化をもたらすことが分かり、大麦β-グルカンにはまだまだ明らかになっていない効果がありそうです!

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【論文・レポート】

メタボリックシンドロームの発症リスクが高い患者における大麦β-グルカンによる食事介入後の腸内細菌叢の組成および代謝パラメーターの変化

Alterations in gut microbiota composition and metabolic parameters after dietary intervention with barley beta glucans in patients with high risk for metabolic syndrome development

■概要
メタボリックシンドロームは西欧諸国で急激に増加している複雑な病気で、食事は患者の代謝状況の改善を可能にする方法のひとつである。大麦β-グルカンは、コレステロール値と食後のグルコース応答を改善することが知られている食物繊維だが、腸内細菌叢に焦点を当てたヒト試験は少ない。本試験では、メタボリックシンドロームの発症リスクが高い、またはメタボリックシンドロームであると診断された合計43人のボランティアを対象に、二重盲検プラセボ無作為化試験を行った。参加者は6 gの大麦β-グルカンを含むパンまたはβ-グルカンを含まないパンを4週間摂取した。食事介入後、試験群(β-グルカン群)では総血漿コレステロールが減少したが(-0.26±0.54)、対照群(プラセボ群)では変わらなかった。短鎖脂肪酸組成は、試験群でプロピオン酸が増加(43.2%)し、対照群では酢酸が減少(41.8%)するなど、著しく変化していた。16S rRNA遺伝子のイルミナ ペアエンドシークエンスによるマイクロバイオーム解析では、試験群で腸内細菌の多様性と豊富さが減少していることが明らかとなった。介入前の腸内細菌叢組成をみると、試験群のうち介入によりコレステロールの低減作用が見られたレスポンダーでは健康に関連があるBifidobacteriumやAkkermansia municiphilaが多かったため、食事誘発性の代謝応答は個人の腸内細菌叢組成に依存している可能性を示している。
■研究者
Ana Velikonja (1. Mlinotest d.d., Tovarniška cesta 14, SI-5270, Ajdovščina, Slovenia )
Luka Lipoglavšek (2. University of Ljubljana, Biotechnical Faculty, Department of Animal Science, Groblje 3, SI-1230, Domžale, Slovenia )
Maša Zorec (2)
Rok Orel (3. University Medical Centre Ljubljana, University Children`s Hospital, Department of Gastroenterology, Hepatology and Nutrition, Bohoričeva 20, SI-1000, Ljubljana, Slovenia)
Gorazd Avguštin (2)
■出典
Anaerobe 2019年 55巻 p.67-77

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