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研究員が集めた大麦の論文

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β-グルカンの摂取による腸のバリア機能改善は、脳機能にまで影響し、肥満による認知障害を軽減することがわかりました!

#免疫 #腸内環境 | 2020-10

肥満モデルマウスにβ-グルカンを15週間摂取させたところ、肥満によって誘発された腸バリアの機能障害、脳の炎症、認知障害が改善したことがわかりました!この研究で使われたβ-グルカンはオーツ麦由来のものですが、大麦β-グルカンにも同様の効果が期待できるかもしれません!

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【論文・レポート】

β-グルカンは、食餌誘発性肥満マウスの脳腸相関を介して認知障害を軽減する

β-glucan attenuates cognitive impairment via the gut-brain axis in diet-induced obese mice

■概要
【目的】
高脂肪で食物繊維が欠乏した食事を摂取した肥満モデルマウスにおいて、β-グルカンが脳腸相関と認知機能に与える効果を評価することを目的とした。

【方法と結果】
肥満モデルマウスにβ-グルカンを15週間摂取させ、はじめにいくつかの行動試験によって認知障害を評価したところ、β-グルカンの摂取が肥満誘発性の認知障害を軽減することが分かった。次に認知や記憶を司る脳の海馬を調査したところ、β-グルカンの摂取は炎症性サイトカインの発現を抑制したり、シナプスの超微細構造を改善するなど、脳の炎症と認知障害を改善させた。また結腸では、腸のバリア機能や結腸粘液の厚さが増加するなど、肥満による腸バリア障害を改善した。
さらにβ-グルカンの摂取による腸内細菌叢の変化は認知機能改善の前であったことから、両者には因果関係がある可能性が示唆された。

【結論】
β-グルカンが豊富な食品の摂取が腸と脳の有害な調節不全を軽減し、肥満に関連する神経変性疾患を予防するための簡単に実行可能な栄養戦略であることを示唆した。
■研究者
Hongli Shi
Yinghua Yu
Danhong Lin et al.

(上記全て: Jiangsu Key Laboratory of Immunity and Metabolism, Department of Pathogen Biology and Immunology, Xuzhou Medical University, Xuzhou, 221004, Jiangsu, China)
■出典
Microbiome 8, 143 (2020)

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