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ホット麦茶を飲んで、冬場の脱水を予防しよう


夏の飲み物の定番である麦茶。最近では、寒い時期でもホット麦茶として麦茶を楽しむ人が増えており、コンビニにもホット専用のペットボトル商品を見かけるようになりました。実は、からだの水分は知らず知らずのうちに失われているため、冬場も水分補給は大切です。今回は、ホット麦茶を活かした冬の脱水対策について紹介します。

1日に必要な水分量って、どれくらい?

私たちのからだは、約60%が水分でできています。水分には、体温を維持したり、栄養素の消化・吸収や不要な物質の排泄を助けたりする機能があり、人が生きる上で欠かせない成分です。そのため、からだに必要な水分を飲み物や食べ物から毎日補給する必要があるのです。

欧米の研究報告によると、成人男性の1日当たりの水の必要量は、座りがちな生活をしている人なら2.5L程度、適度にからだを動かしている人なら3.2L程度とされています*1。日本人は米や麺類を多く食べるので、水分摂取源の約半分が食べ物由来だと言われています。つまり、成人なら1日当たり1L以上は飲み物から水分を摂る必要があると考えられます。

汗をかかない冬でも脱水には要注意

からだの水分が不足する「脱水」は、汗をかく夏に起こりやすいことはよく知られていますが、実は汗をかかなくてもからだからは水分が失われています。皮膚の表面や呼気から知らず知らずのうちに水分が失われることを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と言いますが、不感蒸泄で失われる水分は1日当たり約800mLもあるのです。

乾燥する環境では不感蒸泄が増えるため、夏だけでなく冬も脱水を起こすリスクはあります。特に、体重当たりの水分量が大人よりも多く、かつ水分を失いやすい乳児・幼児は脱水を起こしやすいと言われています。また、からだに貯えている水分量が少ない高齢者も、冬の脱水には要注意です。

子どもや高齢者では、脱水によって認知機能が低下する傾向があるという研究結果も明らかになっています*2。水分摂取を忘れてしまいがちな冬は、家族や周りの人が気にかけてこまめな水分補給をすすめるようにしましょう。

冬の水分補給にぴったりなホット麦茶

夏と比べて喉の乾きを感じにくい冬場も、脱水対策のためにしっかり水分補給をすることが大切です。冷たい飲み物はからだを冷やしてしまうので、冬の水分補給には温かい飲み物が適しています。ただ、コーヒーや緑茶、紅茶などにはカフェインが含まれているので、飲みすぎには注意が必要です。特に夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を低下させる可能性があると言われています*3。

そこでおすすめなのが、ホット麦茶。ノンカフェインなので、子どもや妊娠中の方の水分補給にもぴったりです。1L以上作るなら、一般的な麦茶パックを鍋ややかんに入れて煮出す作り方がおすすめですが、1杯だけ飲みたいという場合はホット専用の麦茶ティーバッグを利用するのが便利です。

日本人は平均的に水分摂取量が少ないと言われており、1日に「あと2杯多めに飲む」ことが推奨されています*4。特に、就寝の前後や入浴後、飲酒後など、水分が不足しやすいときにホット麦茶を飲んで、しっかり水分補給することを心がけましょう。

麦茶の効能については「からだにいいこといっぱい、麦茶のススメ」で詳しく紹介しているので、こちらも合わせてご覧ください。

*1 Sawka MN, et al.: Nutr Rev 2005; 63: S30-39.
*2 Pross N.: Ann Nutr Metab 2017; 70 (suppl 1): 30-36.
*3 Drapeau C, et al.: J Sleep Res 2006; 15: 133-41.
*4 厚生労働省: 「健康のため水を飲もう」推進運動(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html