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麦茶のおいしさ、言葉でどう表現しますか?


「フレーバーホイール」はおいしさの表現辞典

暑い夏、乾いたのどをうるおす飲み物といえば、麦茶。スッキリした味わいでゴクゴク飲める麦茶は、のどの渇きをいやすものというイメージが強いかもしれません。しかし、麦茶もコーヒーや紅茶と同じように、焙煎の深さや使用する大麦の種類などによって味や香りが大きく変わります。

そんな麦茶を、じっくり味わってみたいという方におすすめしたいのが、麦茶の「フレーバーホイール」です。フレーバーホイールとは、ある食品から感じられる香りや風味、味わいなどの特長を表す言葉を抽出・整理し、円状に表現したものです。

たとえばワインのソムリエやコーヒーのバリスタが、「ベリー系のニュアンス」や「バニラのような甘み」などと表現するのは、その業界特有のフレーバーホイールにまとめられた言葉に基づいています。そうすることによって商品の特長を厳密に識別・表現しているのです。その他、ウイスキー、ビール、紅茶、チョコレートなどにも、フレーバーホイールがあります。

*はくばく作成「麦茶フレーバーホイール」

綿菓子のように甘く、ナッツのように香ばしい麦茶はいかが?

麦茶のフレーバーホイールは、2017年にはくばくが開発し、第64回日本食品化学工業会で発表しました。開発の際に使用した麦茶は20種類。社内から味覚や香りの識別試験をパスしたのち、訓練をつんだ精鋭10名が、麦茶の香り・味を評価。香りの特長を表現するのにふさわしい122語を抽出し、その中から類似表現をまとめるなどの編集作業を行い、28個の言葉を厳選しました。これを「ウッディ」「ロースト」など香りの系統別に9つのグループに分け、味の面では麦茶の評価としてよく用いられる「甘み」「苦み」「コク」「キレ」を使用して、フレーバーホイールにまとめました。

このフレーバーホイールを用いて官能評価を行ったところ、甘い香りが際立つ麦茶や、苦味や香ばしい香りが特長的な麦茶など、同じ麦茶でも様々な味や香りの特長を持っていることが確認できました。今度麦茶を飲むときには、このフレーバーホイールを眺めながら麦茶の風味の違いを楽しんでみてください。一層おいしく感じられること間違いなしです!