4つのこだわりで選ぶ
おいしい大麦の
選び方



見た目にこだわる
色や形もおいしさのひとつ
「素朴な味わい」「健康的」と大麦に好意的な人が増えている中、まだまだ「ごはんは白いほうがいい」という人もたくさんいます。見た目の先入観を取り払うために大麦に施されてきた工夫とは?

黒い線と、やや黄色味を帯びた粒の印象がある大麦ですが、現在ではいろいろな姿形の大麦製品が作られており、料理や好みに合わせて自由に選べるようになりました。

穀物カンパニー「はくばく」のこだわり
「一粒一粒、黒条線をカット」
大麦らしい特徴でありながら、嫌がる人もいる黒条線。この黒い線を消すことはメーカーの長年の課題でした。そんな中、はくばくが独自に開発したのは、溝付きのロールに一粒ずつ挟んで流し、ちょうど黒条線のところで半分に切るという驚きの技術。さらに残った黒い部分をきれいに削ることで、白い大麦ができ上がります。


大麦が溝に入り、その中央をカッターでカットする切断機。小さな大麦の一粒を半分に切るこの機械は、開発者の試行錯誤の末に生み出された。
「見た目はお米と同じ“米粒麦”」
ごはんに大麦が入っていることを感じさせないように、米粒の形に近づけたのが「米粒麦」。粒を半分に切る特別な機械に通して黒条線を取り除いた後、よく磨いて米の形に近づけていきます。また、表面をきれいに削るために、途中で蒸して膨らませ、乾かして固める“蒸煮処理”という作業を施すのも大きな特徴。ひと手間もふた手間もかけて生まれた、こだわりの大麦です。

外皮を削った大麦を蒸煮する。削りやすさだけでなく、アルファ化させることでおいしくする効果もある。
「普通の大麦より色白な品種の開発」
押麦や米粒麦に加工されるうるち性大麦「ファイバースノー」。これは、大麦に白さを求める消費者の声に応えて作られた品種。はくばくが国と共同で開発に携わり、12年の歳月をかけて誕生させました。今や市場の8割以上を占めるまでに成長しています。一方、長野県産の「ホワイトファイバー」は、国産もち麦への期待を背負う品種として注目を集めています。

白さを計る「白度計」を使い、搗精されたものが白さの基準に届いているかを、しっかりチェックする。
大麦の黒条線を消すのは、はくばくの創業当時からの悲願でした。試行錯誤を繰り返し、大麦を黒条線の位置で半分に切る機械を発明。これは日本初の特許技術でした。

- 麦ごはんの色が変わってしまった、コレ大丈夫!?
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大麦は時間が経つにつれて黄色や茶色に変色していきますが、これは大麦の「ポリフェノール」と「メイラード反応」によるもの。ポリフェノールは抗酸化作用があり、体に悪いどころか良い影響をもたらします。メイラード反応とはステーキを焼いたときと同じで、アミノ酸と糖が加熱によって結びついて起こる現象。もちろん食べても問題はありません。