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大麦で癒やしの時間を。フィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」


フィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」をご存知ですか? ライ麦のわらを糸でつないで作る幾何学模様のモビールで、本国ではクリスマスの飾りやインテリアとして親しまれています。日本では、大麦のわらを利用したヒンメリの人気が拡大中。大麦ヒンメリが生み出す、癒やしの世界に迫ります。

麦わらで作るフィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」とは?

近年、インテリアショップなどでも目にするようになった「ヒンメリ」。フィンランドの伝統装飾で、ストロー状の麦わらを糸でつないで幾何学模様に組み立てたモビールの一種です。もとは豊作祈願の意味が込められ、「収穫したばかりの新しいわらには穀物の精霊が宿り、幸せを呼ぶ」「ヒンメリが大きいほど豊作になる」などと信じられて 大切にされてきました。

そんなヒンメリのインテリアとしての魅力は、なんといっても光がつくり出す影の美しさ。吊るされたヒンメリは、わずかな風でもゆるやかに揺れ動き、光を受けて複雑な陰影を映し出します。心地よい揺れによって生まれるこの幻想的な光景こそ、ヒンメリが「光のモビール」と呼ばれる所以です。

日本で広がる大麦のヒンメリ

日本でも今、そんなヒンメリの癒やしの力に魅了された人々が、ヒンメリ愛好家・ヒンメリ作家として活躍の場を広げています。

本来ヒンメリは、ライ麦のわらで作られるのが一般的ですが、ライ麦が手に入りにくい日本では、大麦のわらを使ったヒンメリが人気に。美しいヒンメリ作りには、太さや色が統一された麦わらが良いといわれていることから、プラスチックストローも代用されていますが、より本来の風合いに近く、素朴で温かみのある表情を見せてくれるのは自然素材である大麦ならではです。また、製品規格に限りがあるプラスチックストローと違って実にさまざまな太さや色で作れるほか、一本ごとに微妙に太さや色が異なるからこそ、正真正銘、世界にたった一つしかないヒンメリに仕上がることも、大きな魅力といえるでしょう。

そもそも北欧は、環境を大切にする文化が根づく地域です。装飾としての役目を終えた後に土に還ることができる素材を使うことで、自然との共生という考えに想いを寄せる人もいるようです。

大麦のヒンメリで癒やしの時間を

今では、基本の八面体から、複雑で緻密な幾何学模様まで、さまざまなヒンメリが販売されています。作家ごとに形やデザインに個性が現れるのもヒンメリの楽しさ。お気に入りの作品を探して、大麦ヒンメリを暮らしに取り入れてみませんか? 大麦のわらが、忙しい日常にほっと一息つける癒やしを届けてくれるでしょう。

参考
駐日欧州連合代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」
日本玩具博物館