ホーム大麦百科/見た目が似ている「押麦」と「オートミール」、その違いは?

見た目が似ている「押麦」と「オートミール」、その違いは?


日本では、明治時代から作られていたという「オートミール」。ダイエットに効果的とYouTubeやInstagramなどで紹介されるようになり、2020年ごろからブームとなっています。それより以前に健康やダイエット目的でもち麦に火が付くと、同じ大麦の「押麦」も注目されるようになりました。見た目がよく似ている「オートミール」と「押麦」、どのような違いがあるのでしょうか?

オートミールは「燕麦」、押麦は「大麦」が原料

押麦の原料はイネ科オオムギ属の「大麦」ですが、オートミールの原料はイネ科カラスムギ属に分類される「燕麦(えんばく)」で、「オーツ麦」とも呼ばれています。燕麦は硬くてそのままでは食べることができないため、外皮を取り除いて挽き割りにし、蒸してローラーでつぶすなど加工して、手軽に食べられるようにしたものが「オートミール」です。押麦より火が通りやすいという特徴があり、ミルクをかけてそのまま食べたり、軽く煮て柔らかくして食べたりするのが定番です。一方、押麦は、お米に混ぜて炊いて食べるのが一般的。お米と同時にふっくらと炊き上がることを計算し、蒸気で加熱してローラーの間を通し、1mmほどの厚さに加工しています。

水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく含む

コロナ禍による運動不足や健康への意識が高まるなか、注目されているのがダイエット&健康効果が期待できる押麦やオートミール。どちらもビタミンやミネラルなどの栄養価に優れ、とくに食物繊維が多いのが魅力です。100g中の含有量は、押麦が7.9g、オートミールが9.4g(※)。白米の0.5gと比較するとその多さが際立ちます。しかも、水溶性・不溶性の2種類の食物繊維がバランスよく含まれているのも特長です。便通の改善に役立つのはもちろん、水溶性の食物繊維である「β-グルカン」は血中のコレステロールを低減したり、血糖値の上昇を緩やかにしたりする働きがあります。

お米と同じ感覚で食べるオートミールの「米化」

オートミールの昔ながらの食べ方は、ミルクで煮てドライフルーツやナッツを加え、甘みをつけたものでした。お粥のように柔らかくべちゃっとした食感です。しかし、最近の流行は少なめの水やだしを入れて加熱し、お米のように粒感が残る食感にした「米化」という食べ方。梅干しと塩昆布、納豆としらすなど、トッピングも“ごはんのお供“がよく合います。電子レンジを使えば1分ほどで完成する手軽さもあり、料理が苦手な人たちの間でも重宝されているようです。

グラノーラやクッキーなどスイーツにも使われる押麦

一方、押麦もその食べ方に変化があります。以前はお米に混ぜて炊く「麦ごはん」が一般的でしたが、ここ数年の大麦ブームでさまざまな食べ方が現れました。リゾットやチャーハンはもちろん、スープにしたりサラダにトッピングしたり。さらに、クッキーやブラウニーなどの焼き菓子や、グラノーラ、スムージーなど、スイーツにも幅広く使われるようになりました。

オートミールも押麦も昔ながらの食べ方が進化し、多様なレシピが展開されています。皆さんも自分に合った食べ方を見つけて、楽しみながらダイエットや健康づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。