もち麦や大麦はグルテンフリー?小麦と比較してみました

近年、健康や美容・体質改善への関心が高い人たちの間で注目を集める「グルテンフリー」の食事法。グルテンが多く含まれる代表的な食品として知られるのが小麦ですが、大麦はどうなのでしょうか? 大麦と小麦の特徴を比較しながら、グルテンの性質やグルテンフリーの考え方を解説します!
グルテンとは? どうしてグルテンフリーが注目されているの?
「グルテン」とは、小麦をはじめとした穀物に多く含まれる二つのたんぱく質「グリアジン」と「グルテニン」に水を加えることで生成される、たんぱく質の一種です。ラテン語の「glue(=接着)」が語源といわれ、その名の通り、ガムのような伸びと粘着性が大きな特徴。日本では昔から麩の主原料として親しまれているほか、パンやパスタ、うどんなどにもっちりとした食感やコシを生み出したり、ケーキをふんわりさせたりするのも、グルテンの働きです。
長きにわたり、さまざまな食品のおいしさの一端を担い続けてきたグルテンですが、近年、グルテンをまったく、あるいはほとんど含まない「グルテンフリー」を支持する考え方が広がりを見せています。もともとグルテンフリーの食事法は、1940年代にグルテンが原因とされる自己免疫性の腸疾患「セリアック病」の治療法として提唱されたのが発端。
セリアック病の人の場合、グルテンの摂取は、小腸に炎症や絨毛萎縮、栄養の吸収不良を招き、さまざまな体の不調につながることがわかっています*1,*2。ただし現状、健康な人におけるグルテンフリー食事法の効果には科学的根拠が乏しく、確かなエビデンスが示されていません。ダイエットや健康法の一つとして注目されていますが、基本的には特定の疾患のための治療法だということを覚えておきましょう。
大麦からグルテンはほぼ作られない。でもグルテンフリーとはいえない!?
では、同じ「麦」の名が付く大麦は「グルテンフリー」と言えるのでしょうか? 少し複雑な話になりますが、まず前提として、もち麦をはじめとする大麦から、グルテンはほとんど形成されません。小麦と大麦は同じイネ科で見た目もよく似ているものの、性質は大きく異なります。大麦の主要なたんぱく質は、小麦とは異なる「グルテリン」と「ホルデイン」であるため、水と合わせてこねてもグルテンはほとんど作られないのです。
ただし、大麦は「グルテンフリー食品」からは除外されています。確かにグルテンそのものは生じないものの、大麦のたんぱく質の一部に小麦と似た分子構造のたんぱく質があり、小麦アレルギーの人が大麦を食べると、アレルギー反応を起こしてしまう危険性があるからです。また、国際的・医学的基準では、大麦に含まれるたんぱく質のホルデインが、グルテン類に分類されることから、厳密には「グルテンフリー」を謳えないという現状があります。
【比較】大麦と小麦それぞれの特徴を知り上手に取り入れましょう
とはいえ大麦は、小麦と比較して、グルテンそのものを大きく控えることができる食品です。最後に、小麦と大麦(今回はもち麦)の特徴を比較してまとめてみました。
小麦と大麦にはそれぞれ異なる栄養素が含まれているので、お互いの良さを知り、おいしく食事を楽しみたいですね。小麦アレルギーがある方は、大麦を食べても大丈夫かどうか、専門医に一度相談をしてみると安心です。
こちらもぜひご参考ください。
●小麦アレルギーの人は大麦を食べてもアレルギー症状が出る?
●知っているようで知らない大麦と小麦の違い
参考文献
*1 Anna Sapone, et.al.: BMC Med. 2012 Feb 7:10:13.
*2 Alienke J Monsuur, et al.: Ann Med. 2006;38(8):578-91.
参考元
●農水省:https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/04/functio_nality_03.html
●グリコ:https://www.glico.com/nutrition/tabemono/material/01/index.html
●アイセイ薬局:https://www.aisei.co.jp/helico/health/fat-thin-gluten-free/
監修者(https://www.glutenfreeadvisor.jp/index.html)
