大麦 摂取によ る血糖値上昇 抑制 のメカニズム が明らかに 腸内の コハク酸が血糖値に及ぼす影響 について解析 -科学雑誌『 npj Science of Food』掲載 –
情報掲載日:2024年12月24日
株式会社はくばくは、慶應義塾大学先端生命科学研究所福田真嗣特任教授と大妻女子大学青江誠一郎教授との共同研究により、大麦をマウスに与えると腸内においてコハク酸産生菌であるParasutterella属菌やコハク酸が適度に増加することを明らかにし、この変動が血糖値の上昇抑制作用に関与していることを明らかにしました。
本研究では対照群に大麦の主要な食物繊維成分であるβ-グルカン(1)を全く含まない大麦を摂取させ、マイクロバイオーム解析およびメタボローム解析を行うことで、大麦由来β-グルカンの摂取によって変動する腸内細菌や代謝物質を特定しました。また、これまでは大麦に含まれる食物繊維が腸内に到達する食品の消化吸収を緩やかにすることで血糖値の上昇を抑制することが分かっていましたが、本研究により腸内細菌やその代謝物質の変動を介した作用も影響を与える事が示唆されました。
本研究成果は科学雑誌『npj Science of Food』(2024, 8(69))に掲載されました。
<研究のポイント>
・大麦に含まれる水溶性食物繊維、β-グルカンを摂取することで変動する腸内細菌や代謝物質をマウスモデルで明らかにしました。
・大麦をマウスに与えると腸内においてコハク酸産生菌であるParasutterella属菌やコハク酸が増加し、これはβ-グルカンの作用による影響であることが明らかになりました。
・さらに腸内でコハク酸の吸収ができない遺伝子改変マウスに大麦を与えたところ、この腸内変動による血糖値の上昇抑制作用が消失することが明らかとなりました。
■用語解説
(1) β-グルカン: グルコースがβ-グリコシド結合でつながった多糖類で、穀類や菌類、キノコ類に多く含まれる。
※掲載のデータは発表当時のものです。内容について変更がある場合がございます。
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