全粒穀物とは精白されていない、「胚乳、胚芽、ふすま(外皮)」を全て含む穀物のことを言います。全粒穀物の例としては全粒小麦、玄米、オーツ麦などといったものが挙げられます。
玄米、オーツ麦の中でも加工によって胚乳、胚芽、ふすま(外皮)のいずれかを除いたものは全粒穀物には含まれません。
全粒穀物はビタミンB群、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、そして食物繊維が豊富に含まれています。
全粒穀物に豊富に含まれている「食物繊維」は消化・吸収されずに大腸まで届く成分です。食物繊維は臨床試験により様々な有用性が確認されており、多くの健康効果がある注目の成分です。
オーツ麦は全粒穀物のうちの一つです。オートミールの原料としても良く知られており、含まれる栄養素のほとんどがふすま層(外側の層)に存在しているのが特徴です。そのため、オーツ麦の栄養素を効率良く摂るには削っていないオートミールを食べるようにするなど、全粒で食べることが重要です。
また、オーツ麦は食物繊維を多く含んでおり、特に水溶性食物繊維が豊富なのが特徴です。オーツ麦の水溶性食物繊維は生活習慣の改善に対する効果があると言われており、日常的に継続して喫食することが望ましいと言えます。また、水溶性食物繊維のなかでも特に、身体環境の改善に役立つ発酵性食物繊維「β‐グルカン」を豊富に含んでいることも特徴として挙げられます。
多くの健康効果があることで知られている水溶性食物繊維ですが、食物繊維が豊富と言われている食べ物でも実は水溶性食物繊維を豊富に含んでいるものはあまりなく、日常の食事ではなかなか摂りにくいので、オーツ麦は貴重な摂取源と言えます。
【オーツ麦】 吉田幹彦 他:日本食品化学工学会誌、66,187-194(2019)
【その他の食品】 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)より引用)
※成分値の引用元が異なるため、商品に記載の値とは数値が異なります。
※オーツ麦は農産物のため、ロット間で数値にバラつきが発生いたします。
日本人の食物繊維の目標摂取量は成人男性で1日に21g、女性で18g以上とされています*1。半世紀ほど前まではこの目標値をほぼクリアしていましたが、摂取量は徐々に下がり、今では14g程度にまで落ち込んでいます。特に穀物由来の食物繊維は20%以上減少していることが分かっています*2。
オーツ麦を食べることで食物繊維不足を改善できるだけでなく、普段摂りにくいと言われている水溶性食物繊維の摂取量を増やすことが期待できます。
- 参考文献
-
- *1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
- *2 日本食物繊維研究会誌 ; 1,3–12,1997,厚生労働省「令和元年度国民健康栄養調査」より算出
オーツ麦と玄米はどちらも炊飯して食べることが出来る全粒穀物です。オーツ麦には玄米と比較して「不溶性」と「水溶性」という働きの違う2種類の食物繊維がバランス良く含まれています。
全粒穀物の中で水溶性食物繊維のβ-グルカンを豊富に含んでいるのはオーツ麦の大きな特徴なので、日々の食事に取り入れることをお勧めします。
【オーツ麦】 吉田幹彦 他:日本食品化学工学会誌、66,187-194(2019)
【玄米】 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)より引用)
※自社商品を分析した結果ではないため、商品とは多少値が異なります。
※オーツ麦は農産物のため、ロット間で数値にバラつきが発生いたします。