内側から整える食生活のすすめ
食べるからだメンテナンス
かくれ乾燥や紫外線に負けない!食べ物で内側から美肌をつくる方法

過ごしやすい新緑の季節から夏へと移り変わるこの時期。「ベタつくのにカサつく」「肌が不安定でニキビが増えてきた」といった肌の変化を感じる人は少なくありません。1年の中でも、肌に対する刺激が高まる夏は、肌トラブルが起こりやすい「魔のシーズン」。今回は、夏の肌トラブルを防ぎ、内側から美肌をつくるための食事術をくわしく解説します。
夏に肌トラブルが起きやすいのは、なぜ?
私たちの肌は、常に周囲の環境から影響を受け、様々な刺激にさらされています。特に、日本の夏の過酷な高温多湿環境は、肌に大きな負担を与えます。意外かもしれませんが、夏は発汗量が増えるため、頬の水分量は減少します。一方で、皮脂の分泌量は増えるため、「脂っぽいのにカサつく」というインナードライ状態になりやすいことが分かっています*1。
肌の水分が失われた状態で冷房の効いた室内で過ごすと、肌の乾燥はますます進み、バリア機能が低下していきます。バリア機能の低下は、赤みやヒリつき、キメの乱れといった敏感肌の原因に。さらに、バリア機能が低下するとターンオーバーが乱れ、ニキビが起こりやすくなると考えられています*2。「夏になると大人ニキビが悪化する」という経験があるなら、それは高温多湿や発汗、冷房などの夏に特有の要因が関係しているかもしれません。
さらに、夏の肌ダメージの原因として注意しなければならないのが紫外線です。紫外線は細胞のDNAを傷つけ、皮膚がんの原因にもなるほど強いエネルギーを持っています。6~8月の夏の時期に最も強くなり、真夏の正午ごろは外出を控えたほうがいいとされるほどの強い紫外線が降りそそぎます*3。
一度に大量の紫外線を浴びると日焼けを起こし、炎症が強いと炎症後色素沈着としてシミ・色ムラが残ることがあります。また、紫外線は少量でも長年にわたって浴び続けると、しわやたるみの原因になることも分かっています。こうした紫外線による慢性的な肌の変化は「光老化」と呼ばれ、加齢による老化とは区別されています*4。紫外線による急性・慢性の肌トラブルを回避するには、日頃から日焼け止めを使うなど、徹底した紫外線対策が何より大切です。
夏のダメージから肌を守る!美肌をつくる食品成分5選
食べ物に含まれている成分は、皮膚の健康に大きく影響しています。過酷な夏の環境に負けない強い肌を作るには、肌にいい栄養素を食事からたっぷり摂ることが大切です。肌のバリア機能を高め、紫外線によるダメージを最小限に抑えるうえで積極的に摂りたい食品成分を5つご紹介します。
■多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)
多価不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、肌のバリア機能を正常に保つうえで欠かせない栄養素です*5。人の体内では作ることができないため、食べ物から摂取する必要があります。
[多価不飽和脂肪酸が豊富な食べ物]
脂肪が多い魚(マグロ、サバ、イワシなど)、ナッツ類、アマニ油、えごま油
■ビタミンC、ビタミンE
抗酸化作用の高いビタミンCとビタミンEは、紫外線によって作られる活性酸素を取り除き、肌をダメージから守るはたらきがあります。実際に、ビタミンCとビタミンEのサプリメントを高用量摂ると、日焼けの反応が減ることも確認されています*6。ビタミンCは1日1,000mgまで、ビタミンEは1日800mgまでであれば健康に影響はないとされているので*7、日焼け対策でサプリメントを活用する場合は、この量を上限にするといいでしょう。
[ビタミンC、ビタミンEが豊富な食べ物]
キウイフルーツ、イチゴ、赤ピーマン、ブロッコリー、ナッツ類、アボカド
■カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、β-カロテンなど)
野菜・果物に多く含まれるカロテノイドは、強力な抗酸化作用を持つ天然の色素です。カロテノイドは自然界に700種類以上あるとされていますが、紫外線による肌ダメージを防ぐ効果が確認されているものとして、リコピンやアスタキサンチン、β-カロテンなどがあります*8-10。
[カロテノイドが豊富な食べ物]
トマト、にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃ、鮭、エビ・カニ
■ポリフェノール
ポリフェノールは、野菜・果物、茶、コーヒー、チョコレート、赤ワインなどの食品に含まれる苦味や色素の成分です。ビタミンCやビタミンEと同様に、紫外線によって作られる活性酸素を無害化する強い抗酸化作用があります。実際に、ブドウなどに含まれるレスベラトロールや緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールには、肌の抗酸化力を高め、紫外線によるダメージから肌を守る作用があることが確認されています*11,12。
[ポリフェノールが豊富な食べ物]
ブドウ、ブルーベリー、緑茶、ココア、ウコン(ターメリック)、コーヒー
■プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)
プロバイオティクスとは、摂取すると人の健康に役立つ効果を発揮する生きた微生物のことです。代表的なのが、ヨーグルトや発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌です。乳酸菌やビフィズス菌には腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを整え、全身の免疫力を向上させることで、肌の健康にも良い影響を与える可能性があると考えられています。
実際に、マウスに乳酸菌やビフィズス菌を摂取させた研究によると、慢性的な紫外線の影響による光老化が改善し、肌のうるおいがアップしたり、しわが減少するなどの効果が確認されています*13,14。日頃からプロバイオティクスを摂っていると、将来的な光老化の予防につながるかもしれません。
[乳酸菌・ビフィズス菌を含む食べ物]
ヨーグルト、チーズ、味噌、キムチ
もち麦を取り入れた地中海食で、ゆらぎにくい肌を目指そう!
肌のバリア機能をキープしつつ、紫外線によるダメージを最小限に抑えるには、抗酸化物質を豊富に含む植物性食品やヨーグルトなどの発酵食品を毎日摂ることが大切。それを手軽に叶える食事パターンとしておすすめなのが、「地中海式ダイエット(地中海食)」です。
地中海食とは、新鮮な野菜・果物、豆類、ナッツ類、全粒穀物、魚介類、乳製品をバランスよく摂り、良質なオリーブオイルを日常的に使う食事スタイル。美肌に役立つ多価不飽和脂肪酸やビタミン類、カロテノイド、ポリフェノール、プロバイオティクスがしっかり摂れる、まさに夏のダメージ肌対策にぴったりな食事です。地中海食の食事を続けている人ではニキビの重症度が低いことも分かっており*15、ニキビ対策にもいいと考えられます。
地中海食では、食物繊維が豊富な穀類を主食に取り入れるという特徴がありますが、日本の食卓で取り入れやすいのが「もち麦」です。白米にもち麦を混ぜて炊くだけで、食物繊維がぐっとアップ。もち麦には、腸内で有用菌のエサになる発酵性食物繊維が含まれているので、腸内環境の改善を通じて肌トラブルの予防に役立つ可能性もあります。実際はくばくでは、もち麦ごはんを1日2回、継続的に摂取するとお通じが改善し、肌のキメも整うことを確認しています*16。
もち麦は主食としてだけでなく、サラダやスープなど、色々な料理に使える万能食材。「おいしい大麦レシピ」では、野菜や豆類、発酵食品などを使ったもち麦レシピをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
*1 Kim S, et al.: J Eur Acad Dermatol Venereol. 2019; 33: 2192-2196.
*2 Yamamoto A, et al.: Arch Dermatol Res. 1995; 287: 214-218.
*3 気象庁, UVインデックス(https://www.data.jma.go.jp/env/uvhp/info_uv.html).
*4 Salminen A, et al.: Inflamm Res. 2022; 71: 817-831.
*5 McCusker MM, et al.: Clin Dermatol. 2010; 28: 440-451.
*6 Eberlein-König B, et al.: J Am Acad Dermatol. 1998; 38: 45-48.
*7 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版).
*8 Rizwan M, et al.: Br J Dermatol. 2011; 164: 154-162.
*9 Ito N, et al.: Nutrients. 2018; 10: 817.
*10 Heinrich U, et al.: J Nutr. 2003; 133: 98-101.
*11 Buonocore D, et al.: Clin Cosmet Investig Dermatol. 2012; 5: 159–165.
*12 Heinrich U, et al.: J Nutr. 2011; 141: 1202-1208.
*13 Im AR, et al.: Exp Ther Med. 2016; 12: 759–764.
*14 Satoh T, et al.: Benef Microbes. 2015; 6: 497-504.
*15 Bertolani M, et al.: Dermatol Reports. 2021; 14: 9143.
*16 株式会社はくばく, NEWS RELEASE 食べる美容法「もち麦」で肌状態が改善報告!肌が気になるこの季節に、主食で食物繊維宣言!(2020年6月3日).

