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紫外線に負けない!トマトのリコピンで美肌をキープ


ギラギラと日差しの照りつける夏の時期。外出時には暑さ対策はもちろん、紫外線対策が欠かせません。最近では、紫外線を外からブロックするだけでなく、食事によってカラダの内側からケアすることに着目した研究も行われています。特に効果が期待されている食品が、抗酸化作用の高いリコピンが豊富なトマトです。様々な研究から、トマトには紫外線から肌を守る可能性があることがわかっています。

紫外線は日焼けだけでなく肌の老化の原因に

紫外線による肌トラブルとして、誰もが一度は経験したことのある日焼け。普段は気にしなくても、強い日差しの下で長時間過ごす場合は日焼け止めを使うという人は多いのではないでしょうか。実は、紫外線による肌トラブルは、日焼けのように見た目の変化がすぐに分かるものだけではありません。肌のゴワつきや乾燥、シミやくすみ、シワ、たるみ。少量でも長年にわたって紫外線を浴び続けると、こうした肌の老化が引き起こされます*1。紫外線によって起こる肌の老化は加齢によるものとは区別され、「光老化」と呼ばれています。日焼けだけでなく、肌の老化を防ぐためにも、紫外線対策は普段からしっかり行うことが大切なのです。

紫外線から肌を守る、トマトの抗酸化パワー

紫外線対策の基本は、日傘や日焼け止めを使って紫外線をブロックすることです。最近では、食事を摂ることで紫外線による肌ダメージを防ぐという研究報告も増えてきており、「食べる紫外線対策」への注目が高まっています。特に多くの研究で着目されている食品成分が、高い抗酸化力を持つカロテノイド。光老化が起こる原因の1つに、紫外線によって生じる活性酸素が関係していると考えられており、カロテノイドのような抗酸化成分には光老化を防ぐ作用があると期待されています。

カロテノイドは、緑黄色野菜などに含まれる黄色や赤色の色素です。代表的なものとして、β-カロテンやリコピン、ルテインなどが知られています。中でもトマトに多く含まれるリコピンには、紫外線による酸化ストレスや炎症を抑えたり、シワの要因となる肌コラーゲンの減少を防いだりする可能性があり*2、紫外線対策に役立つ成分と言われています。実際に、毎日トマトを食べた人ではトマトを食べていない人よりも紫外線を浴びたあとの肌の赤みが40%軽く、日焼けしにくいという研究結果も報告されています*3。

加工用トマトと油を組み合わせたメニューがベスト!

食べる紫外線対策としておすすめのトマトですが、1日にどれくらいの量を摂るのがいいのでしょう? 同じトマトでも、サラダなどで食べる生食用のトマトより、ジュースやケチャップの原料になる加工用のトマトのほうがリコピンが豊富*4。紫外線対策に効果的な量のリコピンを摂取するには、トマトジュースならコップ1杯、トマトペーストなら大さじ3杯程度で十分です*2,3。

トマトのリコピンは加熱、調理することで吸収率がアップします。油と一緒に摂るとリコピンがより吸収されやすくなるので*5、油を使ったメニューにアレンジするのが効果的。オリーブオイルをたっぷり使ったトマトソースやラタトゥイユなどがおすすめです。暑い夏は冷製パスタやそうめんなどと組み合わせてもgood。おいしく、健康的に、食べる紫外線対策に取り組みましょう。

*1 みらい検討委員会: 日本香粧品学会誌 2017; 41: 240-243.
*2 Grether-Beck S, et al.: Br J Dermatol 2017; 176: 1231-1240.
*3 Stahl W, et al.: J Nutr 2001; 131: 1449-1451.
*4 稲熊隆博: 日本調理科学会誌 2014; 47: 195-201.
*5 Fielding JM, et al.: Asia Pac J Clin Nutr 2005; 14: 131-136.