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しっとりふっくら! もち麦おにぎりがおいしい理由は「保水力」にあり


今やコンビニやスーパーの定番になった、もち麦ごはんのおにぎり。もともとは健康志向の高まりから、手軽なヘルシー食としてコンビニなどの各社で商品開発が行われてきましたが、実は、味わいの面からももち麦の優れた点が明らかに! その秘密は「保水力」にありました。

おにぎりを中心に広がってきたもち麦市場

ダイエット食品として注目を集めた2016年ごろを皮切りに、着々と市場を拡大してきた「もち麦」。もち麦とは大麦の一種で、米に「うるち米」と「もち米」があるように、粘りの強い「もち性」を持つものの総称をいいます。豊富な食物繊維や腸内環境の改善など健康的価値はさることながら、もち麦人気の理由の一つが、独特のもちもち・ぷちぷちとした食感。その特徴を活かしたもち麦商品は年々増え、もち麦ごはんのおにぎりは、コンビニやスーパーを中心に実にバリエーションが豊かになっています。「自宅でもち麦を炊くのはハードルが高い」「もち麦に合う具の組み合わせを知りたい」といった時、市販のもち麦おにぎりは頼りになりますよね。

保水力が高いから、もち麦おにぎりは冷めてもしっとりおいしい!

そんなもち麦おにぎり。冷たいまま食べても「しっとりおいしい!」と感じませんか? 白米のおにぎりは、冷めるとどうしても固くなったりパサついたりしてしまうのに、もち麦はなんだかしっとりもちもちしている⋯⋯。実は、白米に比べてもち麦は、水分を保持する力「保水力」が高いことが明らかになっています。ある実験によると、2日間冷蔵保存されたもち麦と白米(うるち米)を比べると、もち麦の方が水分を逃しにくいという事実が示されました*1。また、おいしさを測る官能評価試験でも、硬くなりにくい・ボソボソしないという結果に 。

理由は、両者に含まれるデンプンの分子構造(かたち)にあります。もち麦に含まれるデンプンの大半は「アミロペクチン」と呼ばれるもの。一方、うるち米にはアミロペクチンの他に「アミロース」というデンプンが多く含まれています。アミロペクチンは複雑なかたちをしているため水分を保持しやすいのに対し、アミロースは直線的なかたちで水分が逃げやすいという性質があります。そのため、もち麦に比べうるち米のおにぎりは時間が経つとパサついてしまうのです。

時間が経ってももち麦のおいしさがキープされるのは、科学的にも証明されているんですね。ぜひ、おにぎりを選ぶときやお弁当を作るときにはもち麦をチョイスするなど、 このもち麦の特性を理解して生活にうまく取り入れてみてください。