ホーム食べるからだメンテナンス/健康の秘訣は腸年齢の若返りから

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健康の秘訣は腸年齢の若返りから


最近、よく耳にする「腸年齢」という言葉。若々しく健康でいるためには、腸を老化させないことが大切だと考えられています。

病原菌を排除して必要な成分を合成する腸

“第2の脳”などと形容される「腸」。それだけ腸という臓器が重要な働きをしているということの現れなのでしょう。腸の役割として真っ先に思い浮かぶのが、消化吸収です。どれほど健康にいい食品を摂っても、腸がしっかり働いて消化・吸収してくれなければ、栄養は排出されてしまいます。その他にも腸は外部から侵入してきた有害な細菌や病原菌を排除して身を守る働きをしたり、幸せホルモンといわれる「セロトニン」や、やる気をおこさせる「ドーパミン」、ビタミンB2、B6などを合成したり、免疫力の70%をつかさどっているのです。多くの役割を担っているだけに、腸の働きをよくすることは健康維持に直結します。

健康な高齢者の腸内環境は30歳代の若者と類似

最近、カナダと中国で行われた研究によると、健康な高齢者の腸内環境は、健康な30歳代の若者とよく似ていたという結果が報告されました。腸内には数百種類の細菌がいて、その数は100兆個以上ともいわれていますが、人間は加齢により腸内細菌の数やバランスが変化します。たとえば、有用菌として一般的に知られているビフィズス菌などを含むアクチノバクテリア門*は加齢とともに減り、大腸菌などを含むプロテオバクテリア門は増えることが知られています。腸内の環境が悪化すると、免疫力が弱まり病気にかかりやすくなったり、しっかりと栄養を吸収できなくなったりしてしまいます。元気で長生きするための秘訣の一つは、ビフィズス菌のような有用菌の減少を食い止めて、腸年齢を若く保つことにあります。発酵食品や食物繊維が豊富な野菜や穀物などをしっかり食べて、腸年齢を若く保ちたいですね。

*「門」は、生物を分類するグループで、「門」の下で、「綱」「目」「科」「属」「種」などに細分化されます。数百種類におよぶ腸内細菌は、バクテロイデーテス門、ファーミキューテス門、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門の4つの門が大半を占めます。

  (出典:BMC Microbiol; 16, 90, 2016)