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海外の白い麦茶? 大麦飲料バーリーウォーターとは?


バーリーウォーターは、シンガポールの国民的飲料

炒った大麦を湯で煮出して飲む麦茶。健康効果も期待できることから、近年とくに注目されています。
じつは、海外にも大麦を使った飲料があります。「バーリーウォーター」といわれているもので、シンガポールでは国民的な飲物。家庭でも作りますが、スーパーなどではペットボトルで売られていて、飲食店やフードコートなどのメニューにもごく普通にあるそうです。

大麦をお湯で煮出した乳白色の飲みもの

では、シンガポールで飲まれているバーリーウォーターはどのようなものなのでしょうか? 日本の麦茶とは異なり、焙煎した大麦ではなく搗精した大麦を使うため白色をしています。水に大麦を入れて火にかけ弱火でコトコトと煮出しますが、そのときに加えるハーブ「パンダンリーフ」と、甘味づけに使う「糖冬瓜」が味の決め手。パンダンリーフは、亜熱帯地方で育つパンダンという植物の葉で、甘い香りがすることから「東洋のバニラ」ともいわれています。糖冬瓜は冬瓜の砂糖漬けで、そのままお菓子としても食べられます。バーリーウォーターは冷やして飲みますが、煮汁だけでなく大麦の粒もグラスに注いでいただくようです。亜熱帯のシンガポールでは、体の内側の熱を逃す効果があるとされるバーリーウォーターを日常的に愛飲しているのです。

イギリスのバーリーウォーターはさわやかなレモン味

イギリスにもバーリーウォーターがあります。シンガポールのものと作り方は似ていますが、「パンダンリーフ」ではなく「レモンバーム」を用いるのが一般的。さらにレモン汁やクエン酸を加え、甘みは砂糖でつけます。シロップ状に煮詰めて保存し、水やお湯、ソーダで割って飲むそうです。また、インドの伝統的医学「アーユルヴェーダ」では毒素を排出するための飲みものとして、バーリーウォーターが用いられています。こちらは、大麦をお湯で煮出したものが基本で、蜂蜜やスパイスを入れて飲みます。国は違えども、長い間、大麦とつき合ってきた私たち。健康を保つために、さまざまなかたちで大麦のもつ力を取り入れる工夫をしてきたようです。