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大麦はダイエット向き? 穀物4種のカサ増し度の違いは


白米・玄米・もち麦・押麦。炊いたらいちばんカサが増すのはどれ?

ふっくらツヤツヤの炊きたてごはん。たっぷりと水分を含んだ食感がたまりません。ところで、浸水前は硬い乾物だった米や大麦、炊飯後にはいったいどのくらいカサが増す(炊き増えする)のでしょう? 実は、穀物の種類によってこのカサ増し度合(炊き増え率)が異なります。そこで比較的なじみのある4種類の穀物で、炊き比べを行ってみました。

【実験方法】
白米・玄米・もち麦・押麦の乾物各150gを用意。それぞれ標準的な水加減(順に210ml、300ml、300ml、300ml)で1時間浸水してから炊飯器で炊き、炊飯後に釜の中身全量をビーカーに移し替えて高さを測り、カサ増し度合を比較しました。

カサ増しなら押麦が圧勝!

炊き上がった釜の中身は、なるべく密度が同じになるよう慎重に、1粒残らずビーカーに移動。押麦は粒の容積が大きいため、カサ増し度でも最大になりました。以下、2位もち麦、3位玄米、4位白米という結果でした。

ちなみに白米を同じ水加減で炊いてみると?

水加減が少ない白米は、炊き増え率が少ないのも当然では? という声にお応えして、他と同じ300mlで炊いてみました。炊き増え率はやや増えたものの、押麦ほどは増えず。食感もごはんとしては柔らかすぎる仕上がりになってしまいました。

白米と押麦、カロリーでも押麦の勝利

カサ増し度が大きいということは、炊き上がりの見た目は同じお茶碗1膳分でも、炊く前の乾物量は少なくて済むので、摂取カロリーも低くなるのでは? これを確かめるために、炊き上がった白米と押麦を、体積が同量になるように同じサイズのビーカーに入れて計量し、元の乾物量を算出。摂取カロリーを割り出してみました!

計量結果は、白米184g、押麦160.5g(内容量のみ)です。それをお茶碗に移したのが下の写真。お茶碗多めの1膳分です。これを、今回の炊き増え率を元に炊く前の乾物量を割り出すと、白米87.4g、押麦59.1gとなり、カロリー計算すると、白米が約313kcal、押麦が約197kcalとなりました*。つまり、同じ見た目のお茶碗一杯食べても押麦のほうが食べる量が少なくなり、摂取カロリーを抑えられることがわかりました。

まとめ

同じお茶碗1膳分を食べるなら、見た目の満足度は変わらず食べる量が抑えられる押麦はダイエットの強い味方。日々の食事を押麦100%で食べることはないかもしれませんが、白米に加える押麦の割合を増やした麦ごはんほど、見た目や食べた時の満足感は同じでも乾物量が少なくなるので、実は食べる量を減らすことができているのです。しかも炊き増えするぶん節約にも◎、という結果になりました!

*大麦:はくばく調べ、白米:日本食品標準成分表2015年版(七訂)より算出。カロリーは炊飯条件により異なるため目安です。