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大麦は、若葉にも栄養たっぷり


大麦を使った飲みものといえば、ビールや麦茶などの嗜好品を思い浮かべる人が多いと思いますが、健康飲料などにも使われていることをご存じですか? 実は大麦は、種子だけでなく、若葉にも食物繊維やミネラル類、ビタミン類、クロロフィルなどの有用な成分を豊富に含んでいます。健康ブームの波に乗って人気が出た青汁には、この若葉を利用した商品が数多く存在します。葉の中でも、穂が出る前の20~30㎝に生育した若い葉のことを「大麦若葉」といい、青汁の代表的な原料として知られるようになりました。

青汁の歴史は古く、平安時代(984年)に書かれた日本最古の医学書といわれる『医心方』や、16世紀に編纂された中国の薬学書『本草綱目』などに、複数の植物の葉を利用した汁の記載があります。

現在のように新鮮な葉を搾って作る青汁の原型を考案したのは、食糧難だった第二次世界大戦中に、倉敷中央病院名誉院長を務めた遠藤仁郎博士といわれています。当初の原料は、戦時中にも手に入りやすかった大根葉でした。戦後になって、ケールを原料としたジュースを考案。青汁を健康づくりに役立てる普及活動に取り組みましたが、当時の青汁は味よりも栄養価を重視したため飲みにくく、なかなか広まらなかったようです。

大麦若葉で手軽に栄養補給

現在では、さまざまな企業が飲みやすさを重視した青汁の商品開発を行っています。ケールに代わり台頭した原料はいくつかありますが、中でも注目を集めているのが「大麦若葉」です。人気の理由は、何といってもクセがない味。ケールのような苦味がなく、飲みやすいのが特長です。鉄分はケールより多く、活性酸素を抑えるとされるSOD酵素が豊富なことも、他の原料と異なる点です。硬い繊維質に包まれているため、栄養成分が吸収されにくい栄養素といわれていましたが、葉を搾ったり、低温乾燥させて粉末状にしたり、栄養価を損なわない加工方法をさまざまな企業が研究し、商品化しています。

最近は、青汁に粉末タイプをはじめ、液体や錠剤などいろいろな形状があり、ライフスタイルに合わせて選べるのもうれしいところです。忙しい朝には液体を、ランチタイムにはスープや豆乳に混ぜて粉末を、とアイデア次第で飲み方のバリエーションが広がります。大麦若葉の栄養を効果的に摂取するのに青汁はぴったり。飲みやすいので、自分好みにアレンジして楽しみながら気軽に栄養摂取してはいかがでしょうか。