2015年10月アーカイブ

俺達にはまだ目指すべき上がある

 今年のヴァンフォーレ甲府は前節で2試合を残してJ1残留が決まった。これは実に凄いことだとつくづく思う。現在のJ2を見てみれば、大宮、磐田、Ⅽ大阪、千葉、そして今年降格が決まった清水と錚々たるチームがJ2で戦っているのだから。20万人規模の地方都市を本拠地にするこの財政規模のチームが4年連続でJ1で戦うことをもっと評価しても良いと思う。

 今年のヴァンフォーレ甲府はシーズン開幕直後は本当に苦しかったけれども、そこから良く立て直したと思う。守備を固めた、というと何やら消極的な印象を受けるがそれは違う。J1というリーグは生半可な守備で守れるような甘い世界ではない。全員が規律を守って連携しながら守備をし、そこから統一された意思をもってカウンターを狙うことは立派な戦術だと思う。全員が勝利のためにその規律を守り、それに徹した選手に心から敬意を表したい。

 しかし今年のJ1確定はこれまでの2年間と意味が違うと思っている。残留が目的になってしまい、それを果たしたことでやれやれ、というシーズンではない。「俺達にはまだ目指すべき上がある」ということだ。山本主将もこの結果に満足していない、ということをインタビューで答えていたが、J1にいられることで満足してはいけない、ということをチームに関係するすべての人が強く認識すべきだと思う。

 ここで敢えて厳しいことを言えば、「J1に居続ければ、きっと良いことがある」という幻想は崩れかけている。だからこそもっと上を目指さねばならない、ということだ。スタジアムとしてももっと魅力ある仕掛けをして、試合に見に行きたくなるように仕向けねばならない。甲府の街全体でアウエイのサポーターを歓迎するムードも絶対に必要だ。チームとしてももっと胸の熱くなる試合をしなければならない。勝利の味をもっとサポーターに味合わせなければならない。本当に優勝争いをする位のチームにならねばならない。

 この4年連続のJ1ということを心から祝い、敬意を表するとともに、来期のヴァンフォーレ甲府が本当にこの上を目指すべきチームになることにチャンスをいただいた、と理解したい。その道は確かに険しく、誰も登ったことのない道。だからこそ、この道をプロヴィンチアの代表たるヴァンフォーレ甲府が歩まずして誰が歩むのか。険しい道を上った先に新たな展望は開けると信じて、歩み始めるのは今だ。

日本のラグビー戦士に感謝!

 今朝のラグビーワールドカップ・アメリカ戦に28-18で見事勝利した日本代表チーム。本当に見事な戦いでした。アメリカも気合の入った素晴らしい戦いをしたが、それをがっちり受け止めて堂々と勝ち切った日本はさらに見事でした。試合後のインタビューでいつも落ち着き払っている五郎丸選手が質問に対して感極まって涙をこらえ声が出なくなってしまった場面。私も一緒に泣いてしまった。きっとこれまでの苦しい練習、仲間との勝利への思い、それを成し遂げたが決勝トーナメントに進めずこのチームは解散となること、様々な思いが胸をよぎったのだろう。これぞ、ラグビーだと思った。やっぱりラグビーはいいな、と思った。

 今回のラグビーワールドカップ・ロンドン大会。誠に恥ずかしいが私はそれほど日本代表に期待していなかった。したがって初戦の南アフリカ戦も朝早くは起きずに昼間から見よう、と思っていたら・・・・。ラグビー仲間に快挙を教えられ、慌てて結果を確認する始末。ラグビーをやったことのある人間ならば、南アフリカにワールドカップで勝つということが奇跡に近いことは知っている。しかしその奇跡を成し遂げたのだ!録画で試合を観戦したが、後半残りの10分間は涙が止まらなかった。正に胸を打つ戦いであった。あの南アフリカが浮足立って顔色が青ざめていた。同点を狙わずにスクラムを選択した時には鳥肌が立った。そして見事に劇的な逆転トライで世界の強豪を堂々と破った瞬間。私も一人雄たけびを上げていた。

 その後もスコットランド戦、サモア戦を観戦したがつくづく感じたのは「ラグビーはスポーツというよりも、戦闘だ。」と言うこと。体を鍛えぬいた屈強な大男と大男が体ごとぶつけ合い、その死力を尽くす。流血なんか何のそのだ。自軍のボールを味方に供給するために、自らは体を張って密集に突っ込んで行く。そしてその味方が思いを込めて出してくれたボールをバックスはまた責任をもって走り、ゲインを切る。隙が無ければあえて密集に突っ込んで、自分はその捨て石となる。また隙を作らせるために、全員がこの作業を愚直に繰り返す。これは前線で戦う戦闘員そのものだと思った。80分間この戦闘を続けることは並大抵の体力、気力ではない。しかし彼らは国の誇り、仲間への責任を背負ってこの厳しい作業を黙々とやり続ける。

 この戦闘であるラグビーで一番大切だし、感動を呼ぶのは仲間との深い信頼関係だと改めて思う。「アイツが体を張って出してくれたボール、何としてもゲインを切る」、「アイツが勇気を振り絞ってタックルして止めた。俺もやらねばどうする。」そういう思いがあのフィールドには溢れている。そういう熱い思いが見る者に感動を呼ぶのだろう。

 久しぶりに、本当に久しぶりに日本でラグビーが注目された。私は日本人の精神性にラグビーというスポーツは非常にフィットしていると思っている。2019年次回のワールドカップは日本開催である。その時までにラグビーがもっと盛り上がって今回以上の成果を残すことを期待したい。そしてさらに日本にラグビーが根付くことを心から願っている。ラグビーは少年を最も早く大人にし、大人にいつまでも少年の心を抱かせるスポーツだから。

プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれ。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
趣味はゴルフとワインかな?
今年、ヴァンフォーレ甲府が大活躍することを心から期待しています。